三井住友カードの分割払い手数料が最大3%も引き上げ、利用者負担増加が必至
信用カード業界に激震が走っている。業界大手の三井住友カードが2025年4月から分割払い手数料率を大幅に引き上げることを発表した。この改定により、実質年率は現行の12.20%~14.96%から14.70%~17.91%へと上昇する。これは最大で約3%もの引き上げとなる重要な変更だ。
三井住友カードの分割払い手数料率
- 改定前:実質年率 12.20%~14.96%
- 改定後:実質年率 14.70%~17.91%
分割払い手数料率改定スケジュール
- 2025年4月1日(火)以降のご利用分は改定後の手数料率が適用されます。
改定の影響を具体的に検証する
実際の影響を具体的な数字で見てみよう。例えば、5万円を10回払いで分割払いする場合、現行では手数料が3,400円(総額53,400円)だが、改定後は手数料が4,100円(総額54,100円)となる。つまり、同じ買い物でも700円多く支払うことになる。
改定の背景を読み解く
この改定の背景には、日本銀行のマイナス金利政策解除や、世界的な金利上昇の潮流がある。カード会社自体の資金調達コストが上昇しており、その影響が利用者に及ぶ形となった。
対象範囲と適用時期
注目すべき点は、この改定が2025年4月1日以降の利用分から適用される点だ。それまでの利用分については現行の手数料率が適用されるため、大きな買い物を予定している消費者は、この時期を意識した計画を立てる必要がある。
なお、旧SMBCファイナンスサービス発行カードやAmazon Mastercard、Tuoカードなどは今回の改定対象外となっている。
現行と改定後の三井住友カードの分割手数料の比較表
三井住友カードは、2025年4月1日より分割払い手数料率を改定します。以下に、現行と改定後の実質年率および利用金額100円当たりの分割払い手数料額を比較した比較表は以下の通りです。
支払回数(支払期間) | 現行 実質年率(%) | 現行 手数料(円) | 改定後 実質年率(%) | 改定後 手数料(円) |
---|---|---|---|---|
3回(3ヵ月) | 12.20 | 2.04 | 14.70 | 2.46 |
4回(4ヵ月) | 12.99 | 2.72 | 15.64 | 3.28 |
5回(5ヵ月) | 13.50 | 3.40 | 16.25 | 4.10 |
6回(6ヵ月) | 13.86 | 4.08 | 16.68 | 4.92 |
10回(10ヵ月) | 14.57 | 6.80 | 17.51 | 8.20 |
12回(12ヵ月) | 14.74 | 8.16 | 17.69 | 9.84 |
15回(15ヵ月) | 14.87 | 10.20 | 17.84 | 12.30 |
18回(18ヵ月) | 14.94 | 12.24 | 17.90 | 14.76 |
20回(20ヵ月) | 14.96 | 13.60 | 17.91 | 16.40 |
24回(24ヵ月) | 14.96 | 16.32 | 17.88 | 19.68 |
30回(30ヵ月) | 14.91 | 20.40 | 17.79 | 24.60 |
36回(36ヵ月) | 14.82 | 24.48 | 17.65 | 29.52 |
40回(40ヵ月) | 14.76 | 27.20 | 17.55 | 32.80 |
42回(42ヵ月) | 14.72 | 28.56 | 17.50 | 34.44 |
48回(48ヵ月) | 14.61 | 32.64 | 17.35 | 39.36 |
50回(50ヵ月) | 14.57 | 34.00 | 17.29 | 41.00 |
54回(54ヵ月) | 14.50 | 36.72 | 17.19 | 44.28 |
60回(60ヵ月) | 14.38 | 40.80 | 17.03 | 49.20 |
※利用金額100円当たりの分割払い手数料の額は、各支払回数に応じた手数料率を基に算出されています。
この改定により、分割払いの手数料率が全体的に引き上げられます。例えば、10回払いの場合、現行では実質年率14.57%で手数料は100円当たり6.80円ですが、改定後は実質年率17.51%で手数料は100円当たり8.20円となります。
なお、2025年3月31日以前のご利用分には現行の手数料率が適用され、2025年4月1日以降のご利用分から改定後の手数料率が適用されます。
※一部のカードや加盟店では、適用される手数料率が異なる場合がありますので、ご利用の際にはご確認ください。
※手数料について詳しくは公式のウェブサイトを確認してください。
消費者へのアドバイス
このような状況下で、賢明な消費者は以下の対応を検討すべきだ。
まず、大きな買い物は改定前に済ませることを検討する。次に、リボ払いとの比較検討も有効だ。リボ払いの手数料率は今回改定の対象外となっている。さらに、一括払いが可能な場合は、手数料負担を避けるためにも検討に値する。
分割払いは便利な決済手段だが、手数料負担は決して小さくない。今回の改定を機に、自身の支払い方法を見直してみることをお勧めする。